160105rogueonevisualguide

やっぱり『スター・ウォーズ』は奥深い。

映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』をもっと深く知りたい方も、「もう何度も見て隅々まで知っている!」なんて思っている方も、公式ガイドブック『Star Wars Rogue One: The Ultimate Visual Guide』を忘れてはいけません。

Lucasfilm Story Groupのエグゼクティブであり、銀河の「正史」の管理を担う人物でもあるパブロ・ヒダルゴによって記されたこのビジュアル・ガイドには、新たに判明したクールな事柄や驚きの事実が詰まっています。

**ネタバレ注意**

キャシアンは「フルクラム」のエージェントだった

公式ガイドブックで判明した映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の新事実 2

アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』で元ジェダイ、アソーカ・タノのコードネームとして初めて登場した「フルクラム」。彼女はフルクラムを名乗り反乱者たちに情報提供をしていました。しかしフルクラムはただアソーカを指していただけではありませんでした。これは一人の人物ではなく、その役職のコードネームだったのです。そして『ローグ・ワン』に登場するキャシアンもまた、「フルクラム」だったのです

ビジュアル・ガイドでは、キャシアンの作戦上のコードネームのひとつは「フルクラム」であり「Albarrioセクターのリクルートメント・エージェント」であったとしています。彼の反乱軍諜報局とのつながりを考えると、キャシアンはこのコードネームを使い、幅広い諜報ネットワークに多くの諜報員を派遣していたのではないかと考えられます。

反乱同盟軍は戦いのためだけの組織ではない

公式ガイドブックで判明した映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の新事実 3

反乱同盟軍は議員により率いられてはいるものの、『スター・ウォーズ』映画の中では軍事組織として描かれることが多いです。しかしガイドで判明したのは、同盟軍のヒエラルキーが2つに枝分かれしているということ。一つは相互につながる反乱支部を統括する軍事部門の「High Command」(最高司令部)、もう一つは「Civil Government」(民間行政部)です。Civil Governmentのほうはモン・モスマが「Chief of State」(政府主席)として率いており、解散された帝国元老院のメンバーたちからなる6人の官僚により統治されています。

『ローグ・ワン』ではモン・モスマとベイル・オーガナ以外の官僚も登場しました。財務大臣であるUyterのノワー・ジェベル議員(『シャーロック』シリーズでおなじみジョナサン・アリス演じる)、産業大臣であるTaldotセクターのヴァスプ・ヴァスパー(演じるのはやはり苗字と名前が被るファレス・ファレス)、ゲームシリーズ『Knights of the Old Republic』ファンにはおなじみの惑星タリスのティンラ・パムロ(シャロン・ダンカン=ブルースター演)が教育大臣です。もう一人の官僚が誰であるのかはガイドでも明かされていません。

Uウイングを『ローグ・ワン』以降見かけない理由

公式ガイドブックで判明した映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の新事実 4

プリークエルに新たな要素が登場して、それが時系列的に後の作品に搭乗していない、そんなトリッキーな状況は『新たなる希望』のプリークエルとなる『ローグ・ワン』にもあります。帝国軍のデス・トルーパーは都合のいいことにみんな死んで、多分ショア・トルーパーとTIEストライカーも同じ運命なのでしょう。しかし反乱軍のUウイングが初代三部作に登場しない理由には、もう少しきちんとした設定がありました。

Uウイングは、そもそもそんなにたくさん存在しなかったのです。製造元はIncom社、帝国宇宙軍のための戦闘機としてXウイングなども製造していた会社です。Uウイングは同社が帝国により国営化される前に送出した最新戦闘機であり、限られた台数しか製造できませんでした。それをベイル・オーガナがいくらかかっぱらってきて他のサポートビークルと共に同盟軍に寄付したのです。なので『ローグ・ワン』に登場するUウイングが反乱軍の持つ全てのUウイングというわけ。

複数のフォースの宗教

公式ガイドブックで判明した映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の新事実 5

『フォースの覚醒』では、マックス・フォン・シドー演じたロア・サン・テッカが「フォースの教会」(The Church of the Force)という宗教団体を信奉していました。この教会の信者たちはフォース感受性のあるなしにかかわらず、忘れられたジェダイ・オーダーの教えに従っていました。しかしガイドによれば他にもフォースを元にした宗教がジェダに存在したとのことです。

チアルートとベイズが関係している「ホイルスの守り手」と共にガイドではジェダを聖地とみなしている複数の宗教団体が記されています。名前からすると「守り手」に守られる関係にありそうな、ジェダ最古の信仰「Disciples of the Whills」(ホイルスの信奉者)、肌を見せない沈黙の僧侶たち「The Brotherhood of the Beatific Countenance」(「Jedha巡礼者」としてカードになっている、ロイヤルガードに似ている格好の人たち。これが「ブラザーフッド」であるのに対し、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』では「The Sisterhood of the Beatific Countenance」に属するキャラクターSeib Nodが登場する)、そして宗教性は低いものの、遠い昔に先祖たちが見た最初の星であるジェダに霊的な重要性を見出す「Clan of the Toribota」が紹介されています。

モン・カラマリの戦艦は彼らの街でできている

公式ガイドブックで判明した映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の新事実 6

帝国の占領の結果、モン・カラマリが大規模離脱し同盟軍宇宙軍に加わっているようですが、その詳細はわかりません。しかしビジュアル・ガイドではいかにしてモン・カラマリが少なくない数の主力艦を同盟軍のために短期間で集められたかのヒントが書かれています。モン・カラマリの戦艦は、実は彼らの街でできているのです。

帝国の台頭に最悪を想定したいくつかのモン・カラマリの街は、都市を深宇宙へと投げ込みました。そう、何千ものモン・カラマリ難民を載せた輸送船へと街を作り変えたのです。帝国から隠れたモン・カラマリは輸送船を武装した主力艦へと改造し、同盟軍へと加わり、同盟宇宙軍の大きな力となったのです。『ローグ・ワン』に登場するラダス提督の船「Profundity」(「深遠」という意味)は、元々はモン・カラマリの街Nystullum北部にある市政管理塔であり、同盟軍に入る以前のラダスはその街の市長だったのです。そう考えると、初代三部作に搭乗したカラマリのアクバー提督の旗艦が「Home One」(ホーム・ワン)と呼ばれていたことにも新たな意味が見出せそうです。

帝国がデス・スター建造を秘密にするためにしていたコト

公式ガイドブックで判明した映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の新事実 7

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』でデス・スター計画を最初に考えていたのが分離派であると判明して以来、ジオノーシアンのバトルステーション計画がどうやって帝国軍の最重要計画になりかわったのか、ファンは色々と考えてきました。でもどうやらこれには沢山の虫人間(ジオノーシアン)の死が関わっているようです。

ジオノーシアンが最初に分離派のためにカイバー・クリスタルを使用したスーパーウエポンを計画し始めたときには、すでに機密のプロジェクトでした。ジオノーシアンの大公、ポグル・ザ・レッサーはクローン大戦時にアナキン・スカイウォーカーに捉えられてしまいます。クローン大戦が終わり、帝国が台頭すると、ウィルハフ・ターキンがまだ当時理論上の存在でしかなかったこの武器に夢中になり、パルパティーンに提示しました。そしてもちろんパルパティーンは都合いいことにジオノーシアンの持つ元の計画をダース・シディアスとしてすでに手に入れていたのです。超兵器の物理的な骨組みの建造はジオノーシスでジオノーシアンの労働者の力を得て始まりました。

骨組みが完成し、残る唯一の問題はスーパーレーザーの動力源となるカイバー・クリスタルの精製でした。武器を秘密にしたままこの科学的な問題に挑むために、帝国はジオノーシスをまるごと不毛の地にします。数十億ものジオノーシスの住人たちが消し去られました(このくだりはこれまでにも『反乱者たち』やMarvelのコミック『ダース・ベイダー』で暗示されています)。

デス・トルーパーの名前の由来

公式ガイドブックで判明した映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の新事実 8

『ローグ・ワン』の描いた、よりリアルでダークで生々しい反乱者たちやテロリストたち。その中に混じって目を引いたのはスラリと背が高く、ダース・ベイダーのように黒いデス・トルーパーたち。しかしビジュアル・ガイドで明かされたその名の由来は、想像を越すおどろおどろしいものでした。デス・トルーパーの名の由来は、クレニックの先進武器研究部門で噂されていたプロジェクトからきたものです。その噂されるプロジェクトは、壊死した肉体を蘇らせ、帝国のために戦わせるというもの、つまり「スペース・ゾンビ」というものだったようです。

なんだこのサイボーグ!

もう一つ、ビジュアル・ガイドからへんてこなものを紹介しましょう。

Mike Druckerさんが自身のTwitterで紹介しているこちらのパット見80年台のVRヘッドセットの広告写真みたいなものは、「Decraniated」というジェダで様々な役割を果たしているサイボーグの下僕たち。しかし彼らは負傷した人々が手術される際に人格を取り去り作られたものでした。だからその多くは頭の殆どの部分がなくなっているのです。この技術は逃亡中の外科医により完成させられた、とされています。逃亡中の外科医といえば、『ローグ・ワン』にも登場したドクター・コーネリアス・エヴァザンは美容外科医であり、様々な「恐ろしい医学的実験」を行なっていたとされていますが、彼がこれに一枚噛んでいるかどうかは不明です。


いやはや、映画からは想像もつかない事柄が沢山判明しましたね。日本版のビジュアル・ガイドも早くでないかなー。

もっと読む:
映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のカメオ出演とシリーズのつながりまとめ
今後も登場するかもしれない『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のキャラクターとは?
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』レビュー。帝国を恐ろしい組織として描く原点回帰!

image by io9
source: Twitter

James Whitbrook - Gizmodo io9[原文
abcxyz